べーじゅ

じゃなくて米寿です。
誰が?ばあちゃんが。
誰の?親父の。
というワケで父方のばあちゃんがめでたく明日88歳の誕生日を迎えます。
じいちゃんは残念ながら10年前に鬼籍に入ってしまったのでお祝いもへったくれもありません。
ちなみになんで米寿っていうかっつーと、米っていう字を分解すると八十八になるからだそうで。
で、この前の日曜に何年ぶりかに会ってきました。
日本料理屋に集まってみんなで会食っつー流れだったんよ。
親父の兄弟も揃ってたんだけど、みんな老けたなぁって思ったね。
昔はみんなプカプカ煙草ふかしてたけど、今じゃ誰一人吸ってない。
そんでもって、みんな漏れなく髪の毛が撤退し始めてて、長男の叔父さんなんか自衛隊よろしく撤退完了しちゃってるし。
まぁそんな事はどうでもいいんだけど、問題は主役のばあちゃんだ。
一年ぐらい前に一ヶ月ぐらい入院して、親父とかがお見舞いに行ったんだけど、俺は行ってないからホント久しぶりだった。
で、会ってみると、なんかえらく縮んだ気がする。
元々小さいばあちゃんだけど、今じゃ俺の四分の一ぐらいのボリュームしかなくなってた。
なんだか切ない気持ちになりつつ箸で料理をつついてると、会食から一時間もしてからばあちゃんが横に座る叔父さんにこう訊ねた。
「この目の前にいる人は誰だい?」
ばあちゃん、そりゃないよ。
わかると思うけど、目の前に座ってる人とは俺の事です。
叔父さんたちにも最初訊かれたけどさ。
初めに誰だか名乗って挨拶したのに、耳の遠くなってるばあちゃんにはその声が聞こえてなかったらしい。
まぁ確かに昔はこんな短髪で髭なんか生やしてなかったからなぁ。
しかも一応久しぶりに会うって事でスーツ着てっちゃったしなぁ。
考えてみたらわかるワケないかと納得しつつ、叔父さんたちとかと色々話した。
会食の最後にみんなで写真撮ろうってなった時、ばあちゃんがほっぺに指当ててにっこり笑うなんてお茶目で可愛い事するからなんだか安心したよ。
帰り際みんなと挨拶した時、ばあちゃんがまた
「あんた一体誰だったんだい?」
とか訊くから焦ったけど、耳が遠くなってからばあちゃんは
「はいはい」
と相槌は打つけど聴こえてないなんて事がよくあると聞いて安心した。
いや、安心はあんまりできないんだけどさ。
とりあえず自分が親父の息子だという事を再度説明した。
そしたら今度は
「あぁ、昔から一番おっきい子だったもんねぇ。そっかぁ。ホント大きくなっちゃったねぇ」
ってちゃんと理解してくれたみたいでホントに安心できた。
そんでもって握手したんだけど、88歳の小柄なばあちゃんのものとは思えないぐらい力強いもので驚いた。
骨とかふてーし。
入院したとかいうからすげー衰えちゃってんのかなぁとか思ってたら、耳が遠くなったぐらいで、頭も目も足腰も歯も全部元気そうだったから涙が出てきそうになったのは内緒。
とにかく、ばあちゃん88歳おめでとう。
これからも元気で可愛らしいばあちゃんでいてね。
あんまり顔見せてないけど、なるべく顔出すようにします。
ホント長生きしてください。









そういや日記のデザイン変えました。
読みにきーよ馬鹿!っていう人は書いてください。
あんまりそういう人が多い場合は戻します。
特に不評じゃなければこれでいこうかなって思ってますんで。