最近っつーか三日ぐらい前の事

1、2月の日記に書いたちょっと破天荒な彼女がいる友達って覚えてますか?
「覚えてないどころか今日から見始めたからそんなん知らねぇよボケが」っていう人は日記見返してきてください。
で、いるじゃないですか、その友達。
その友達からいきなり「いますぐちゅうしゃじょうきて」とかメールきたんですよ、夜の一時近くにね。
俺は明日五時半起きだぞってなもんで、「どうした?」とだけ返信したんです。
そしたら「しゃじょうあらしつかまえた」ってきたんで「すぐいく」とだけ送って家を飛び出したんです。
ちなみに友達が言ってる駐車場とは、家から300mぐらい離れたところにある、広い砂利の駐車場の事です。
なんで俺がこんな冗談みたいなメールで飛び出したかっていうと、友達が一ヶ月ぐらい前に鍵穴壊されて車上荒らし未遂されたんですね。
友達の車には下手に開けるとクラクションが鳴りまくるっていう防犯機能がついてたんで、幸い何もとられてなかったんですが、鍵穴は壊されて当然修理費も高くつきました。
その友達ですから、冗談や酔狂でこんなメール送ってこないと思ったんですね。
だから急いで行きましたよ。
でも、友達のところ行って息切らしてたりするとかっこ悪いなと思って、手前50mぐらいから歩いてタバコに火を点けてゆっくり歩いてたんです。
そんで駐車場に行ってみると、友達の車のところには誰もいない。
おかしいなぁと思って辺りを探っていると、遠くから人の気配と声が。
声のする方へ行ってみると、いました。
友達のそばにはママチャリに乗った全身迷彩服の40過ぎのオッサン。
見るからに怪しいけど、友達とそのおっさんは普通に話してたんでとりあえず事情を聞いてみました。
勘違いならよかったんですが、どうやら勘違いではなさそうです。
友達が駐車場に車入れて、シートを倒して彼女とメールしてたら、そのオッサンが駐車場に現れたらしいんです。
まぁこの駐車場借りてる奴だろうと思ってほっておいたら、なにやら様子がおかしい。
道路から見えにくい奥の方の車のドアをガチャガチャやったりしてたらしいんですよ。
友達の車もその中にあったんですけど、オッサンは友達のくるまにもやろうとしたらしいんですよ。
そんで車の中にいた友達と目が合って逃げたんで、追っかけて捕まえたとの事。
そうとわかったら俺も黙ってません。
とりあえずチャリに蹴り入れて「てめぇ何調子乗った事してんだよ?ただで済むと思ってんのか?」とお叱りの言葉をぶつけてやりました。
そこから延々20分ぐらいお説教です。
あと、色々尋問もしました。
年齢と勤め先と住所を聞きましたが、身分証というか財布自体持ってなかったので信用できませんでした。
ラチが開かないので、友達に「めんどくせーから警察に連絡しようぜ」というと、必死に「警察だけは勘弁してください」とか懇願してくるので、仕方なく警察に連絡入れてやりました。
で、友達がパトカーを誘導してくるとか言って去ったので、現場にはオッサンと俺の二人だけになりました。
これで逃げられたら馬鹿らしいので、ある程度距離を置いて何かしたらすぐに対処できるようにしておいて尋問再開です。
「前科はあるのか」と聞いたら、小さな声で「あります。詐欺で」とか言い出すので、あぁこいつは芯から腐ってる奴なんだなと確信して「じゃあ今度は執行猶予もねぇな。即効ムショ行きだ。やったじゃん」と暖かい励ましの言葉をぶつけてやりました。
軽く小刻みに震えながら(夜だからクソ寒い)黙ったままなので、「そろそろくるからおとなしく待っとけよ」とか言ってるとホントに赤灯点けてパトカーがやってきました。
ちなみにその時の俺たちの位置関係は
犯人

パトカー
っていう感じでした。
俺の背中にはライトが当たって、犯人にはライトが眩しいっていう位置ですね。
そこで俺は長年やりたかった事をやったんです。
タバコに火を点けながら(もちろんライターはジッポーでした)、赤灯回してやってくるパトカーを背にして「お迎えだぞ。乗ってけよ」なんて今時映画でも中々ないシーンを。
で、友達と感無量の俺は警官に色々話を聞かれて、一通り現場検証に立ち会った後、犯人を乗せて静かに去っていくパトカーを見送ったのでした。
ホントは犯人が暴れたりした方が面白いんでしょうけど、現実はこんなものです。
最近あったホントのお話でした。