危うく世間を賑わすとこだった

昨日電車乗ってたんですよ、電車。
始点に程近い駅から乗ったんで、座れたんですね。
端っこをキープして本読んでたんですけど、眠くなったんですよ、僕ちゃん。
で、本をしまって、口を真一文字に結び、うつらうつらしてたんです。
そしたらある駅に着いたらやたら騒がしいのね。
なんか「はーい、みんな静かにー。喋るのはとんぼが喋るぐらいの声で」とか聞こえるんです。
まず思ったのは、とんぼはそもそも喋らない。
そんなフランクなとんぼがいると楽しいだろうが、実際は薬物にでも手を出さない限り出会えない。
そして、この言葉は騒がしさの元になってる奴らに向けての言葉なんだろうと。
目を開けてみると隣の席にょぅι゛ょが。
年の頃なら小学校2〜3年といった中々マニア心をくすぐるょぅι゛ょだ。
が、生憎私はょぅι゛ょ好きではない。
どちらかというと同年齢から上の方が好きなぐらいだ。
隣に黒木瞳ばりの熟女が座っていれば俺の行動もまた変わっただろうが、ょぅι゛ょではまた寝に入るだけである。
そう思いながら寝に入ろうと思ったら、周りにいっぱいょぅι゛ょがいる事に気がついた。
それどころかクソ生意気そうな少年たちもいるではないか。
「おい、いつからここは託児所になったんだ」とJR側に回答を求めようとしたが、車掌がいないので断念する。
仕方がないので眠い頭を総動員して状況を分析してみる事にした。
周囲にはリュックサックを背負った無秩序な子供たち。
そして、その中になんとか子供たちを黙らせようと奔走する先生らしき人物が何人か見受けられる。
一昔前だったら鉄建制裁で黙らせる事も可能だったろうが、体罰反対の声が声高に叫ばれる昨今ではそんな事到底不可能だ。
かつて自分も学習塾で講師をやっていたので、こういった場合の先生のジレンマがよくわかる。
なので特に気にする事もなく分析を終えた俺は寝に入る事にした。
これで俺が安眠していれば問題はなかったのだが、周囲には特攻野朗Aチームばりに無茶をする小学校低学年の群れだ。
何もないはずがない。
奴らは一般常識のある人間ならまずしないというかできない行動も平気でする。
そう、眠っている俺に対し、どこまでやったら起きるかなどという行動も平気でできちゃうのだ。
見ず知らずの人間に何か刺激を与えて、どこまでなら大丈夫かなどというバラエティー番組の構成作家でも中々思いつかない企画を即興で捻り出し、尚且つ即座に実行するとは中々大したものだが、もうちょっと考えようぜおまえら。
こんな破戒僧みたいな風貌の奴にちょっかい出すなよ。
つーか、むしろそういう風貌だからこそ奴らの食指が動いたのかもしれない。
眠っている(ように見える)俺に対し、ょぅι゛ょ&少年改めクソガキども御一行は果敢に刺激を与えてきた。
まずは軽く靴を小突いてきやがった。3回ぐらいで俺は目を開けた。
奴らは何故か嬉しそうにはしゃぎだした。
うるさいクソガキ、短い生涯終えさすぞと思いつつまた目を閉じた。
そして30秒も立たないうちに次の刺激を与えてきた。
なんでこいつらは常識的に物事を判断できないのか。
30秒で眠れる人間なんてまずいないだろ。目閉じたら眠ってるって判断基準なのか。意味わかんねぇ。
で、次に加えられた刺激改め嫌がらせはくすぐりだ。
座ってる俺の膝に対し、中心部から閉じた指を徐々に広げていくという昔懐かしいくすぐり方法のアレだ。
当然俺はすぐに反応して目を開いた。また嬉しそうにはしゃいでやがる。
いい加減先公も気づけよボケが。
そんなんだから学級崩壊招いたりすんだろうが給料泥棒ども。
公立の無能教師どもの援護はまったく期待できないので、俺は一人でこの性質の悪いクソガキどもに立ち向かわなくてはならなくなった。
具体的にどうするかというと、どうする事もできない。
これが高校生ぐらい分別のつく年の奴なら迷わずいきなり殴りかかって次の駅で降ろすのだが、小学生相手にそれをやると、こっちが精神異常者として取り押さえられてその日の6時ぐらいのニュースで報道されるだろう。
この年になると余裕で顔も名前も出るのでそれだけは避けたい。
大学まで通わせてくれている親に申し訳が立たない。
なので、何もせず目を開いているという自衛策を取った。
シンプルだが効果的な作戦だ。
だが、これも常識のある奴にしか通用しない作戦であった事に後で気づく。
俺が目を開いて明らかに起きているにも関わらず、このクソガキっつーか馬鹿どもは刺激を与えようとしてきた。
俺の顔をチラチラ見ながら膝をくすぐろうとしてくる。
そのチラチラこちらを覗く顔つきが上司のご機嫌を取る卑屈な中年親父と重なる。
もう駄目だ。こんなのが日本の将来を背負って立つのかと思うと先が思いやられる。
いっその事俺が今ここで芽を摘んどいてやろうかと考えていたその時、俺が降りる駅のアナウンスが流れてきた。
俺はもうこの馬鹿どもには付き合ってられんとばかりに立ち上がってドアへ向かおうとした。
立ち上がった瞬間、馬鹿の一人が「うおっ!デッケ!」とか至極当然の事をほざきだした。
当たり前だ。大人をなめるな、こっちは21歳だぞと。大人の毛もボーボーだぞと。
そして、その声にやっと反応した無能教師その1が「何してるの○○君」と声をかけていた。
「今更遅い、氏んで詫びろ」と言おうとしたが、あえて波風を立てる事もあるまいと言葉を飲み込んだ。
色々ストレスを溜め込んで俺は電車を降りた。
遠足ならちょっとぐらい金かかってもいいから、バスチャーターして行けよボケどもがと思いつつ帰路についた。
なんか今日はやたら長くなってしまった。
ここまで読んでくれた人ありがとう。
これから明日提出のレポートにかかります。